掃き出し法 その3

今回は、(3,3)型行列の逆行列を作ります。

 

(2,2)型行列の逆行列の作り方はこちら↓

 

逆行列の基本的なことはこちら↓

 

 

(3,3)型行列の逆行列作り方

基本的には掃き出し法で使って作ります。掃き出し法の使い方は (2,2)型行列のときと変わりません。

 

問:

$A=\begin{pmatrix} -3 & 2 & 2 \\ -5 & 4 & 3 \\ 1 & -1 & -1 \end{pmatrix}$の逆行列 ${A}^{-1}$を求めよ。

 

作り方:

単位行列をAの右側につけて

$\begin{pmatrix} -3 & 2 & 2& \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0}\\ -5 & 4 & 3 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0}\\ 1 & -1 & -1& \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1}\end{pmatrix}$

これを、掃き出し法を使って左側に単位行列ができるまで変形していきます。

$\begin{pmatrix}  \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0} &  x & 0 & 0 \\ \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0} & 0& y & 0 \\ \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1} & 0 & 0 & z\end{pmatrix}$

 

では、始めます。

$\begin{pmatrix} -3 & 2 & 2 & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0}\\ -5 & 4 & 3 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0}\\ 1 & -1 & -1 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1}\end{pmatrix}$

 

1行目と3行目を入れ替え

$\begin{pmatrix} 1 & -1 & -1 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1}\\ -5 & 4 & 3 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0}\\ -3 & 2 & 2 & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0}\end{pmatrix}$

 

1行目を5倍したものを2行目に足す、と

1行目を3倍したものを3行目に足す

$\begin{pmatrix} 1 & -1 & -1 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1}\\ 0 & -1 & -2 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{5}\\ 0 & -1 & -1 & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{3}\end{pmatrix}$

 

2行目を(-1)倍する

$\begin{pmatrix} 1 & -1 & -1 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{1}\\ 0 & 1 & 2 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{-1} & \color{magenta}{-5}\\ 0 & -1 & -1 & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{3}\end{pmatrix}$

 

2行目を1行目に足す、と

2行目を3行目に足す

$\begin{pmatrix} 1 & 0 & 1 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{-1} & \color{magenta}{-4}\\ 0 & 1 & 2 & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{-1} & \color{magenta}{-5}\\ 0 & 0 & 1 & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{-1} & \color{magenta}{-2}\end{pmatrix}$

 

3行目の(-1)倍を1行目に足す、と

3行目の(-2)倍を2行目に足す

$\begin{pmatrix} 1 & 0 & 0& \color{magenta}{-1} & \color{magenta}{0} & \color{magenta}{-2}\\ 0 & 1 & 0 & \color{magenta}{-2} & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{-1}\\ 0 & 0 & 1 & \color{magenta}{1} & \color{magenta}{-1} & \color{magenta}{-2}\end{pmatrix}$

 

行列の左側を単位行列にしたので、これで終了です。

 

よって

逆行列${A}^{-1}$は$\begin{pmatrix} -1 & 0 & -2 \\ -2 & 1 & -1\\ 1 & -1 & -2\end{pmatrix}$

 

となりました。

 

確認してみます。

${A}{A}^{-1}$

=$\begin{pmatrix} -3 & 2 & 2 \\ -5 & 4 & 3 \\ 1 & -1 & -1 \end{pmatrix}$・$\begin{pmatrix} -1 & 0 & -2 \\ -2 & 1 & -1\\ 1 & -1 & -2\end{pmatrix}$

=$\begin{pmatrix} (-3)*(-1)+2*(-2)+2*1 & (-3)*0+2*1+2*(-1) &  (-3)*(-2)+2*(-1)+2*(-2)\\(-5)*-1+4*(-2)+3*1 &(-5)*0+4*1+3*(-1) &(-5)*(-2)+4*(-1)+3*(-2)  \\ 1*(-1)+(-1)*(-2)+(-1)*1 & 1*0+(-1)*1+(-1)*(-1) & 1*(-2)+(-1)*(-1)+(-1)*(-2)\end{pmatrix}$

=$\begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1\end{pmatrix}$

 

手計算での注意事項

行列の掃き出し法について3回ほどやりましたが、率直な感想をいいますと、行列の掃き出し法は手計算だと相当苦労します。自分では、途中で分数が入ると99%答えが合いません。2次の正方行列でもかなり大変でした。今後の数学のお勉強に関しまして、純粋に計算のみが必要なところは、プログラミングの力も借りることとします。やはり、複雑な計算は人間よりも圧倒的に早いです。

 

そこでここ最近やった行列同士の掛け合わせ、行列の逆行列を求めることをpythonでやってみましょう。

 

ライブラリがあるのでとっても少ない行数であっという間に計算してくれます。

今回の行列の逆行列を求める

 

結果

 

行列と逆行列をかけ合わせてみましょう。

結果

単位行列になりました。

 

まとめ

行列の掃き出し法について数回にわたって実践してみました。理論はわりとすんなり理解出来ましたが、計算項目が多くなると間違う箇所も必然的に多くなり、模範解答と合わない、ということも頻繁に起こります。計算の量が必要なところはプログラミングの助けも借りてお勉強を勧めていきたいと思います。

今回はここまで。